響け、希望と愛の鐘

デモ後、優美はテントで仲間たちと抱き合った。

 奈穂がプラカードを抱え、笑う。

 「優美さん、めっちゃ感動した!
 私の声も、届いたよね!」

「優美ちゃん、世界のスターじゃん!

 ハギくん、彼女の彼氏として、鼻高いね!」

「安達さん!?
 からかわないでくださいよ!
 おかげさまで、一応、そういう関係になれましたけど」

 ハギくんが顔を赤らめる。

麗眞さんが優美の背中を軽く叩いた。

「優美ちゃん。

 デモ、完璧だった。

 自由空間の会のリーダーは警察に連行されたよ。

 自由空間の会の残党は、俺や美崎さんが声をかけて、
 本人の前職やスキルを活かした転職先を紹介したんだ。

 あっという間にこちら側に寝返って滑稽だったよ。

 だからね、もう脅迫、来ないよ」

「優美先輩、NPOの申請も通りましたよ!

 次は、海外展開やっちゃいますか!」

優美は頷き、仲間たちを見渡した。

「みんな……

 ほんと、ありがと。

 こんな大きなデモ、みんながいなきゃ、できなかった」

優華が優美の肩を抱く。

「姉ちゃんの信念、ほんとすごいよ。

 姉ちゃんは私の誇りだよ」

優美は優華の手を握り、笑った。