響け、希望と愛の鐘

優美は冷静にマイクを握り直す。

「私たちは、誰も排除しない。

 安全なスペースは、すべての人のためにある。

 対話は必要。

 でも、暴力と脅迫には、絶対屈しない!」

観衆の拍手が、残党の微かな声をあっという間に呑み込んだ。

何やら騒ぎが大きくなった気がするが、そちらは麗眞さんに任せよう。

優美はスピーチを続けた。

 監禁の恐怖、トラウマのフラッシュバックを乗り越えた経験を、初めて公に語る。

「1週間前、私は監禁された。

 ナイフを突きつけられ、死も覚悟した。

 でも、仲間が助けてくれた。
 妹の優華や信頼できる仲間たち皆の声が、私を救った。

 私たちの運動は、恐怖を乗り越える力。

 誰もが安心できる安全な未来を、みんなで作ろう!」

観衆が立ち上がり、拍手が鳴り止まない。