響け、希望と愛の鐘

  「……ありがとう。

 矢萩がそばにいてくれて、ほんと助かった」

「優美先輩。
 
そろそろ、俺の苗字の呼び捨てじゃなくて他の呼び方にしてくれません?」

「じゃあ、ハギくんにしようかな。

 事務所に入ってきた順番としては下だから後輩だけど、同い年じゃん。
 
仕事以外では、先輩は付けなくていいよ。

それと、プライベートでは敬語もなしでいいからね」

二人の手がテーブルで触れ合い、優美は彼の手の温もりを感じた。

 真さんがカウンターからニヤリと笑う。

 「おっと、いい雰囲気!
 
2人とも、コーヒー、おかわりどう?」

「真さん、邪魔しないでよ!」

 優美が笑いながら突っ込む。

 店内に笑い声が響き、優美の心に温かな光が灯った。