響け、希望と愛の鐘

翌日も、事務所には、ボランティアの奈穂と安達舞が集まっていた。

優美は笑顔で作業を進めている。

 しかし、彼女の心には重圧がのしかかっていた。

 全国デモの資金集めが難航しているのだ。

 クラウドファンディングで目標額の半分しか集まらず、会場の手配費用や警備員のコストが重い。

 市役所からの許可も、反対派の圧力で遅れがちだ。

 優美はノートに予算を書き込み、ため息をついた。

「資金、足りない……

 このままじゃ、警備員も減らさないと」

ハギくんがノートを覗き込み、笑う。

 「優美先輩、俺、知り合いのNPOに相談しました!

 小さな寄付、集まり始めてます。

 麗眞さんも、財閥の力でスポンサー探してる!

 スポンサー探すより、麗眞さんにスポンサーになってもらった方が早い気がするんですけどね」

皆がそれだ、とでも言いたげに、
 誰も何も言葉を発しなかった。

「俺、とりあえずそれとなく、俺から麗眞さんに話してみます!」
 
 「優美さん、私もバイト増やして、寄付するよ!

 デモ、絶対成功させたい!」

「奈穂ちゃん、気合い入ってるね!

 私も、SNSで拡散しまくるよ。#WomenReclaimSafety、トレンド1位にしちゃう!」