響け、希望と愛の鐘

翌日。

 しばらく、そのまま宝月の豪邸から仕事へ向かうことになった優美。

 行きは、ハギくんも一緒に付いてくることになった。

 「優美先輩、佐藤の供述、証拠として固められましたよ。

 麗眞さんの調査で、自由空間の会のリーダーが不動産会社の幹部と繋がってることが分かったんです。

 そっちも追います!」

優美は頷いた。

 「ありがとう。

 ほんと……頼りになる!

 しかし、麗眞さんも、なかなか策士ですよね。
『自由空間の会』に自分のところの執事をスパイとして送り込むなんて。

 資料をあそこまで詳細に作成出来たのも、納得だわ」

「あれは、俺の有能な執事、相沢とその奥さんの発案なんだ。

 相沢の奥さんの美崎(みさき)さんは自分の肉親から疎まれていてね。

 美崎さんも財閥の出だった。
 
そこはキナ臭い組織と裏で繋がっていた。
今回の『自由空間の会』なんてまだ可愛いもんだ。

 優美ちゃんみたいな監禁なら可愛いもので、気に入らない人間は事故に見せかけて命奪うことはザラだったんだ」

 優美も矢萩も、お互い見合わせた顔が引きつっていた。