響け、希望と愛の鐘

彼女の公式アカウントから、『#WomenReclaimSafetyは偽善』『活動終了』との投稿が流れていた。

 フォロワーからの困惑コメントが殺到している。

 「優美さん、どうしたの?」

 「嘘でしょ!?」

 優美は急いでパスワードを変更し、謝罪のライブ配信を始めた。

「混乱させてしまい、ごめんなさい。

 アカウントがハッキングされて、おかしな投稿がされました。

ですが、デモは絶対にやめません!

 私たちの声、届け続けます!」

配信はすぐに拡散され、賛同者の応援が戻ってきた。

 だが、匿名アカウントからのメッセージが届く。

 『ハッキングは警告だ。
 次はお前を消す』

 優美先輩。
 
俺、この間事務所に来てくれた相沢さんが仕える主の
麗眞さん?
 
彼の姉の執事さんなんですけど。

 その人、ペンタゴンにいたことがあるらしくて。
 そういうことにはとりわけ知識豊富みたいなんです。

 その人に連絡取って、色々探ってみますよ。

 優美先輩の悲しい顔、見たくないんで」

ハギくんの声に、優美は少し安心したが、恐怖はなかなか消えてくれなかった。