響け、希望と愛の鐘

「さすが、相沢さん!
 こういう事を調べさせたら、右に出る者はいないですね!」

『自由空間の会』は
大手企業をスポンサーに持ち、
裏では不動産会社と繋がっている。

女性専用スペースを潰し、
商業施設を立てる空間らしい。

しかも、その商業施設のトイレはオールジェンダートイレトイレとなるらしい。

「性犯罪の温床じゃん。
 最悪だ」

 優美の声が途切れる。

書店で、お尻を執拗に触られた記憶。

依頼人に家の最寄り駅まで着いて来られた記憶。

いろいろな記憶がフラッシュバックして、優美は、床に崩れ落ちそうになった。

「優美先輩。
 
何としても、俺が守りますから」

 優美をそっと支えてくれたのは、ハギくんだった。

背中に伝わる掌の温もりが、優美を安心させてくれた。