私の人生

「ゆい！待って―――。」
そう言いかけたけれどもう遅い。ゆいは橋の高欄から飛び降りたんだから。ゆいがまだ立っていたときの姿を思い出して、私は泣いた。ゆいは雨具を捨て、靴と、ブレザーを脱いだ。雨に濡れ、青白い肌が艷やかだった。そして、飛び降りた。でも、橋と川の距離は5メートルほど。そんな高さじゃ死ねるはずもない。
「痛っ。」
そうゆいは呟いた。
「ゆい！ふざけないで！」
膝を折って座っていたゆいがこちらを向いた。砂利がめり込んでいて痛々しい。
「なんでここにすずがいるの？」
ゆいがなぜ私に相談しなかったのか。隠れて自殺しようとしたことに対して私は怒りが爆発しそうだった。
「大切な親友がつらそうな顔してたからだよ！なんでこうなる前に相談してくれなかったの？」
言いたいことはたくさんあった。けれど、ゆいはすぐに答えた。
「っ――。すずに言ったら心配させそうで…。でも、親友だから言ったほうが良かったよね。ごめ―。」
謝ろうとしたゆいに被せて私は言う。
「謝らなくていいよ。私達、親友じゃん！辛いときは、お互い様！」
この言葉のせいなのか、私につられたのか、ゆいも泣いてしまった。