「な、なんだ…?」

俺が緊張しながら言うとプリズムはとある言葉を唱えた

「能力解放 氷 空中氷華(スカイアイスシャドー)

すると、プリズムが手をかざしたところの上からツララが落ちてくる

「これって…」

「そう、能力よ 能力は私の母が開発したもの」

「…そうなのか」

俺はあまり興味を持たなかった

なぜなら、能力なんて必要ないから

「そこのイルーダさん?能力なんて必要ないとか思ってるでしょ」

「な、なんでばれたんだ!?」

「勘よ 勘」

プリズムは手の上の雪をふーっと飛ばしながら言った

「能力は自分から誰かに授けることも出来るわ」

「だから…母の能力は魔王に取られてしまったの」

「…」

俺は少し悲しそうな瞳のプリズムを見たまま固まった

「…で、母親の仇を取るために能力者やってるとか言うの?」

沈黙を突き破ったのは冷静な顔をしたリートだった

「…うん そうよ」

「…そっか 一人で出来るの?」

「…」

プリズムは悲しそうな顔をして何も話さなかった

「できないんでしょ? いーくん、僕が何をしようとしてるかわかる?」

俺は元気よく頷いた

「あぁ!」

「俺たちが一緒に戦う!」 「僕たちも一緒に行ってあげてもいいけど?」

俺たちはほぼ同時に行った

「っ…! ありがとう!」

プリズムは涙目で微笑んで答えてくれた


俺たちの物語の幕開けだ!