恋という呪い

 恋をしていた。





 いや、正直何度もしていたと思う。

 ただ、人と話すことが苦手だった俺にとって、それは全て叶わぬ恋となっていた。
 ――でも、案外そんな恋は忘れられた。
 多分、軽い気持ちで恋をしていたんだと思う。
 でも、この恋は違った。





 少し前から、とあるゲームにはまっていた。
 そのゲームでは【ギルド】というものが作ることができ、そこでメンバーの人たちと交流ができるという画期的な機能。
 そこで俺は毎日、仲の良い友人(フレンド)と話すことが多かった。

 その中でも特に仲が良かったその人とはviscordを交換して、一緒にゲームをするほどに仲が良かった。
 ボイスチャットというのを使って、一緒に出来るようなゲームを探してはプレイするの繰り返し。





 正直、楽しかった。





 今思えば、最初に俺がその人の事を好きになったきっかけは、声だったのかもしれない。





 その声は、簡単に想像(イメージ)ができる綺麗な声をしていて、この人の声が毎日聞けたらな――なんて思えるほどに好きになっていた。