色褪せて、着色して。~番外編~

 出てきた人物は、明らかに海外の人間だった。
 年は16~17歳くらいか。
 侍女の格好をしている。
 驚くのは髪の毛の色が桃色。
 瞳の色は、赤い…?
「トペニ様、おまちして…どうなされたんです? お顔…」
 侍女はトペニの顔を見て、絶句する。
「ああ、ちょっと色々あって怪我して。先輩が俺をここまで送ってくれました」
 と、トペニがスズメを見た。
 スズメはとっさに、頭を下げる。

「まあまあ。もう、親しくされている方がいるのですか」
「親しくはしてないです」
 スズメが答えると、侍女は満面の笑みを浮かべる。
「はじめまして。侍女のバニラと申します」
「バニラさん? 初めまして。国家騎士団頭脳班のスズメです。トペニの教育係です」
 スズメは再び頭を下げる。
「スズメ様ですね。あ、少しお待ちいただけますか? すぐですから」
 侍女はそう言うと。中に引っ込んでしまった。

 スズメは頭の中をどう整理すればいいのかわからなかった。
 何故、村に海外の人間がいて、侍女がいる?

 おい…と、トペニに詰め寄ろうとしたところ。
 再びドアが開いた。
「ちいっす~」
 トペニが笑顔で、出てきた人物に挨拶する。
 スズメは、驚愕するしかなかった。
 海外の人間は、そりゃ見たことはある。
 ただ、目の前にいるのは…