「起床時間は朝6時。朝食は6時半。食堂へ行ってもらう。7時からグラウンドで訓練だ。これは全員実施だ」
 早口で説明しながら、主要な場所を説明していく。
 こうやって並んでみると、トペニはそんなに背が高くないことに気づく。

 スズメ自身、170cmに満たない小柄…に分類される体格だった。
「いやあ、スズメさん。俺なんかのために丁寧にありがとうございやす」
 一言。
 トペニの言葉に、スズメは足を止めた。
「おまえ、言葉遣いは気を付けろ」
 背丈の変わらないトペニに、スズメは睨みつけるように言った。
 トペニは、ティルレット人にしては彫の深いをしている。
 きょとんとしたかと思えば、大きな目で「うひゃー」と言い出した。
「俺のこと、もしかしてご存知ない?」
「はあ? 悪いが知らないね」
 これだけ態度がでかいということは、こいつは貴族か貴族の愛人の子に違いない。
 スズメは再び歩き出す。