次にやってきたのは、藁ぶき屋根の家だった。
馬車を降りると。
トペニが真っ先に「すんません~」と大声を出して家主を呼びに行ったが。
どうやら留守らしい。
「この時間だと、畑の方っすかね。俺、呼びに行くんで待っていてください」
と、トペニがすぐに駆け出す。
馬車の前でぽつねんとしていたスズメだったが。
すぐに、「おーい」とトペニの声がした。
スズメが声のするほうを見ると強い殺気を感じた。
トペニの後ろに立っている男から、ただならぬ空気を感じる。
「サンゴさん。こちらの先輩が新しい護衛になったスズメ先輩っす」
ヘラヘラしながらトペニが言う。
スズメは男を見て目を見開いた。
背はそんなに高くない。
驚くのは右腕が…無かった。
バッキバキに鍛えられた身体に全身から漂う殺気。
鋭い目を見て、直感的にこの人は騎士だということに、スズメは気づいた。
だが、制服は着ておらず。
ツナギ姿だ。
「スズメ?」
眉間に皺を寄せた男に、スズメは頭を下げる。
たいてい、自分が「スズメ」と名乗ると変な名前だと言われたり、笑われる。
「どっかで、聞いた名前だなあ」
スズメと背丈の変わらない男はじろりとスズメを睨んだ。
「先輩。こちらは、サンゴさん。これでも国家騎士の英雄だった人」
これでも…と本人を目の前にして言ってしまうトペニにスズメは冷や汗が流れたが。
当の本人はトペニを見て、はっ! と鼻で笑った。
「んで。スズメとやらは、どこの所属だ? 上司は?」
「自分は、頭脳班経理部しょぞ・・・」
「頭脳班だあ!?」
スズメが言い終える前に、サンゴは大声で叫んだ。
「俺は、肉体班から一人よこせって言ったんだが」
物凄い剣幕に殴られると感じたスズメは思わず目を閉じてしまう。
サンゴはスズメに近寄ったかと思えば。
すたすたと歩いていく。
「姫様、こいつちょっとの間。預かっていいか?」
気づけば、後ろに立っていたマヒルとバニラは、静かに頷いている。
「おめえが本当に姫様の護衛にふさわしいか、俺が見極める」
馬車を降りると。
トペニが真っ先に「すんません~」と大声を出して家主を呼びに行ったが。
どうやら留守らしい。
「この時間だと、畑の方っすかね。俺、呼びに行くんで待っていてください」
と、トペニがすぐに駆け出す。
馬車の前でぽつねんとしていたスズメだったが。
すぐに、「おーい」とトペニの声がした。
スズメが声のするほうを見ると強い殺気を感じた。
トペニの後ろに立っている男から、ただならぬ空気を感じる。
「サンゴさん。こちらの先輩が新しい護衛になったスズメ先輩っす」
ヘラヘラしながらトペニが言う。
スズメは男を見て目を見開いた。
背はそんなに高くない。
驚くのは右腕が…無かった。
バッキバキに鍛えられた身体に全身から漂う殺気。
鋭い目を見て、直感的にこの人は騎士だということに、スズメは気づいた。
だが、制服は着ておらず。
ツナギ姿だ。
「スズメ?」
眉間に皺を寄せた男に、スズメは頭を下げる。
たいてい、自分が「スズメ」と名乗ると変な名前だと言われたり、笑われる。
「どっかで、聞いた名前だなあ」
スズメと背丈の変わらない男はじろりとスズメを睨んだ。
「先輩。こちらは、サンゴさん。これでも国家騎士の英雄だった人」
これでも…と本人を目の前にして言ってしまうトペニにスズメは冷や汗が流れたが。
当の本人はトペニを見て、はっ! と鼻で笑った。
「んで。スズメとやらは、どこの所属だ? 上司は?」
「自分は、頭脳班経理部しょぞ・・・」
「頭脳班だあ!?」
スズメが言い終える前に、サンゴは大声で叫んだ。
「俺は、肉体班から一人よこせって言ったんだが」
物凄い剣幕に殴られると感じたスズメは思わず目を閉じてしまう。
サンゴはスズメに近寄ったかと思えば。
すたすたと歩いていく。
「姫様、こいつちょっとの間。預かっていいか?」
気づけば、後ろに立っていたマヒルとバニラは、静かに頷いている。
「おめえが本当に姫様の護衛にふさわしいか、俺が見極める」



