Still In Love

 大学の同級生だった私たちは、在学中から近所で一人暮らしをしていて、今も、家賃の安い当時のアパートに住み続けている。

「覚えてる?昔も、こんな風に歩いて帰ったこと」
 スギヤマが尋ね、
「ええ」
 忘れるはずがないでしょ⋯⋯心の中で、そう続けた。


 大学時代、三度目のデートの夜にも、うっかり終電を逃した。
 世間一般では、三度目のデートでお泊りオッケーなどと言うものの、当時、私はまだそんな気になれなかった。
 地元に居た頃から、アプローチしてくる相手というと、誰もが皆、下心の塊で、それが嫌で仕方なかったのだ。
 高校時代でさえそうだったから、大学生になったら、私のペースを尊重してくれる人は居ない気がしていた。

 実際、大学生になり、他の学校の学生や社会人など、何人かとデートしたが、案の定、誰もがその調子で、うんざりしたものだ。