今、あの頃のように、真夜中の散歩で急坂を上り続けているのだが、息切れしてしまう。
スギヤマは、昔のように疲れ知らずというわけにもいかない私に気づいてくれて、
「ちょっと、休もうか」
途中、眺めのいい丘の上の公園のベンチに座り、街を見下ろした。
ぼんやりと、夜景に見とれていると、
「俺さ⋯⋯なんか、ナミの心がどんどん離れていくのを感じてた」
急に言われ、ドキリとする。
「だけど、つなぎとめるために必死になればなるほど、きっとナミはもっと離れていくような気がしたんだ」
私は、何か誤解していたのかもしれない。
スギヤマは、私のことなど、女性扱いしなくても、どうせ離れていかないだろうと高を括っているのだろうと。
スギヤマは、昔のように疲れ知らずというわけにもいかない私に気づいてくれて、
「ちょっと、休もうか」
途中、眺めのいい丘の上の公園のベンチに座り、街を見下ろした。
ぼんやりと、夜景に見とれていると、
「俺さ⋯⋯なんか、ナミの心がどんどん離れていくのを感じてた」
急に言われ、ドキリとする。
「だけど、つなぎとめるために必死になればなるほど、きっとナミはもっと離れていくような気がしたんだ」
私は、何か誤解していたのかもしれない。
スギヤマは、私のことなど、女性扱いしなくても、どうせ離れていかないだろうと高を括っているのだろうと。



