梅雨のじめっとした午後、いつものグループで勉強会という名目でカフェに向かう。
蒸し暑くて、君は何度も髪を気にしている。
「ここ、跳ねてる」
俺がさりげなく指摘すると、君は髪を撫でつけながら
「実は結構くせ毛でこの時期大変なの」と笑いながら言う。
そんな話をしながら歩いているうちに、いつの間にか二人で後ろの方に取り残されてしまっていた。
カフェに着くと、他は各々席に座って何を注文するかという話を始めていた。
3人掛けの丸テーブルが3つ。
他の2つのテーブルは友達で埋まっていて、もう一つは二人のために残されているように空いていた。
さりげなく友達が遠巻きに見守っているのがわかる。
「ここ、座るか…」
俺が声をかけると、君は小さくうなずいた。
珈琲を注文して、申し訳程度に勉強道具を並べた。
「進んでる?」
君が俺のノートを覗き込みながら言う。
「全然」
「やっぱり」
君は気にしないふりで隣にいる。
君の髪がふわっと顔にかかって、くすぐったい。
「髪、くすぐったい」
「ごめん」
笑い合うその瞬間、周りに人がいることを忘れそうになる。
トイレに立とうと席を離れると、友達が「俺も」とついてきた。
「なあ、二人ってどういう関係…?」
「なんもないよ」
「そ?俺はてっきり…」
友達は最後までは言い切らず、席に戻っていった。
トイレの鏡で顔が赤くなってるのに気づいて、少ししてから席に戻った。
席に戻った時、君がちょっとだけ俺を見て、何か言いかけてやめた。
友達が何を言おうとしたのか、わかっていたけど、考えないようにした。
蒸し暑くて、君は何度も髪を気にしている。
「ここ、跳ねてる」
俺がさりげなく指摘すると、君は髪を撫でつけながら
「実は結構くせ毛でこの時期大変なの」と笑いながら言う。
そんな話をしながら歩いているうちに、いつの間にか二人で後ろの方に取り残されてしまっていた。
カフェに着くと、他は各々席に座って何を注文するかという話を始めていた。
3人掛けの丸テーブルが3つ。
他の2つのテーブルは友達で埋まっていて、もう一つは二人のために残されているように空いていた。
さりげなく友達が遠巻きに見守っているのがわかる。
「ここ、座るか…」
俺が声をかけると、君は小さくうなずいた。
珈琲を注文して、申し訳程度に勉強道具を並べた。
「進んでる?」
君が俺のノートを覗き込みながら言う。
「全然」
「やっぱり」
君は気にしないふりで隣にいる。
君の髪がふわっと顔にかかって、くすぐったい。
「髪、くすぐったい」
「ごめん」
笑い合うその瞬間、周りに人がいることを忘れそうになる。
トイレに立とうと席を離れると、友達が「俺も」とついてきた。
「なあ、二人ってどういう関係…?」
「なんもないよ」
「そ?俺はてっきり…」
友達は最後までは言い切らず、席に戻っていった。
トイレの鏡で顔が赤くなってるのに気づいて、少ししてから席に戻った。
席に戻った時、君がちょっとだけ俺を見て、何か言いかけてやめた。
友達が何を言おうとしたのか、わかっていたけど、考えないようにした。



