主な登場人物
・メ=メ 某研究所で実験を繰り返すマッドサイエンティスト。この施設の管理者
・白夜 ███の施設に強制収監されていたが逃亡している
天気:快晴 気温:23℃
震える足を必死に動かしているうちに少し遠くに大きな施設のようなものが見えてきた。
「あの四角の家まで走るよ!」
女はそう言ってさらに速度をあげて走っていく。着いた時にはお互い汗で地面の色を変えてしまっていた。女が息を上げながら壁に顔を近づけたその時、現実とは思えないまるでバグのような演出で壁が消えてしまった。
「君、行くとこあるのかい?良かったら休憩しよう」
少年は言われるがまま得体の知れない施設に足を踏み入れていった。
入ってまず目に入ったのはよく分からないボタンがズラーっと並んでいる光景だった。色の違うボタンが並んでいるのはなんといえばいいのか、違和感を通り越して恐怖すら覚えてしまいそうになる。
「ねぇ...これって何なの?」
少年はたどたどしい様子で聞いてみる。
女は当たり前のように内装の説明を始めていった。
「このボタンは外出確認ボタンでー、出入りの記録用だね!あとここはーーーでこっちはー....」
見た目より明らかに広い内装に少し足を止めるが興味には逆らえず、どんどん上下左右様々なところまで案内された。
「そしてここはー...あ!明人じゃん今日は準備期間?」
そこには自分よりはるかに大きく威圧感のあるスーツを着た金髪の男性が立っていた。
「あぁ。明日殲滅させて任務完了だからな」
殲滅?任務?馴染みのない言葉に混乱しつつ少年は聞いてみる。
「あ...あの...この方は...」
女はハッとしたような顔をして、
「そうだメンバーの説明してなかったね!!私はメ=メ、博士って呼んでもらってるよー!この研究所には何人か同居人がいて、この人はそのうちの一人!」
金髪の男性はやれやれといった呆れた表情でこちらに目線を合わせて
「また人が増えるのか。俺は詩崎明人だ。そっちは?」
「ぼ...僕は...えっと...0-3です」
「0-3?それがお前の名前なのか。珍しいな」
「えっと...0-3以外で呼ばれたことがないので...あはは...」
...僕は名前を聞かれても答えられない。僕には名前というものが無いし、0-3という番号しか与えられていないから。こんなことを他の人に言うのも変だが名前として伝えられるのは番号でしかなかったことが辛かった。
思わず口を噤んでしまっていると
「じゃあ名前つけちゃおうよ?何にしようかなぁ」
「呼びやすい名前にしろよ」
2人がなんの躊躇いもなく僕の名前を決め始めた。少し経った頃、博士が僕を勢い良く指さしてこう言った。
「よーし今から君は''白夜''だ!良いかい?」
「う...うん!!白夜...!!!」
体験したことのない温かみで思わず大粒の涙がこぼれる。慌てた2人が背中をさすってくれるが止まらない。それもまた、僕のとって知らない温かみだから。
・メ=メ 某研究所で実験を繰り返すマッドサイエンティスト。この施設の管理者
・白夜 ███の施設に強制収監されていたが逃亡している
天気:快晴 気温:23℃
震える足を必死に動かしているうちに少し遠くに大きな施設のようなものが見えてきた。
「あの四角の家まで走るよ!」
女はそう言ってさらに速度をあげて走っていく。着いた時にはお互い汗で地面の色を変えてしまっていた。女が息を上げながら壁に顔を近づけたその時、現実とは思えないまるでバグのような演出で壁が消えてしまった。
「君、行くとこあるのかい?良かったら休憩しよう」
少年は言われるがまま得体の知れない施設に足を踏み入れていった。
入ってまず目に入ったのはよく分からないボタンがズラーっと並んでいる光景だった。色の違うボタンが並んでいるのはなんといえばいいのか、違和感を通り越して恐怖すら覚えてしまいそうになる。
「ねぇ...これって何なの?」
少年はたどたどしい様子で聞いてみる。
女は当たり前のように内装の説明を始めていった。
「このボタンは外出確認ボタンでー、出入りの記録用だね!あとここはーーーでこっちはー....」
見た目より明らかに広い内装に少し足を止めるが興味には逆らえず、どんどん上下左右様々なところまで案内された。
「そしてここはー...あ!明人じゃん今日は準備期間?」
そこには自分よりはるかに大きく威圧感のあるスーツを着た金髪の男性が立っていた。
「あぁ。明日殲滅させて任務完了だからな」
殲滅?任務?馴染みのない言葉に混乱しつつ少年は聞いてみる。
「あ...あの...この方は...」
女はハッとしたような顔をして、
「そうだメンバーの説明してなかったね!!私はメ=メ、博士って呼んでもらってるよー!この研究所には何人か同居人がいて、この人はそのうちの一人!」
金髪の男性はやれやれといった呆れた表情でこちらに目線を合わせて
「また人が増えるのか。俺は詩崎明人だ。そっちは?」
「ぼ...僕は...えっと...0-3です」
「0-3?それがお前の名前なのか。珍しいな」
「えっと...0-3以外で呼ばれたことがないので...あはは...」
...僕は名前を聞かれても答えられない。僕には名前というものが無いし、0-3という番号しか与えられていないから。こんなことを他の人に言うのも変だが名前として伝えられるのは番号でしかなかったことが辛かった。
思わず口を噤んでしまっていると
「じゃあ名前つけちゃおうよ?何にしようかなぁ」
「呼びやすい名前にしろよ」
2人がなんの躊躇いもなく僕の名前を決め始めた。少し経った頃、博士が僕を勢い良く指さしてこう言った。
「よーし今から君は''白夜''だ!良いかい?」
「う...うん!!白夜...!!!」
体験したことのない温かみで思わず大粒の涙がこぼれる。慌てた2人が背中をさすってくれるが止まらない。それもまた、僕のとって知らない温かみだから。
