※完璧な時系列順ではありません

主な登場人物
・メ=メ 某研究所で実験を繰り返すマッドサイエンティスト。この施設の管理者
・白夜 ███の施設に強制収監されていたが逃亡している



天気:快晴 気温:23℃
雲ひとつない晴天の下、鼻歌を歌いながら散歩をする白衣の女がいた。気分がいいのかニヤけた表情で独り言をブツブツと呟いている。

「今日は待ちに待った回収日!この日のために生きてる気がするなー!お天道様も笑ってる気がするし!」

スキップ混じりに歩いていた彼女の近くに何やら汗だくで走り続けている少年がいた。少年は入り組んだ路地裏を迷いながら進み続けている。曲がり角から飛び出したその時、

「すすすみません!!!!避けてー!!!!!」

少年の行く手に白衣の女が。止まってはいけない状況だったがそもそも止まれない、少年はそのままの勢いで女に突っ込んでしまった。

「いてて...」

道端に重なった2人は互いに顔を見合わせた、直後軍服姿の厳つい男女が怒号を広げながらこちらに向かってくるのが見えた。少年は酷く怯え、真っ青になりながら小刻みに震えている。女は焦る気持ちを抑えつつ少年の尋常ではない反応に違和感を感じ、少年を連れて隠れることにした。

「絶対に逃がすな」
「見つけたらそのまま連行しろ」

普通に生きていたら聞かないであろう台詞に思わず出来のいい夢であることを疑ってしまう。だが脇で震えている少年が、これは夢では無いと安易に示唆してる。男女は散らばって捜索を始めたようで、隠れていても見つかるのは時間の問題だった。飛び出す機会を伺っていたその時、1人の男がこちらを向いた。目を配ったとかではない、確実にこちらを捉えているほど正確な目線だ。

「こちら捜索部隊。0-3個体を発見しました」

無線にそう報告しながら近づいてくる。少年が諦めて前へ出ようとした時、女は少年の腕を離さんとばかりにがっしりと掴んだ。

「少し息を止めて」

そう言った瞬間足元から辺り一帯を白煙が包んだ。少年は目を丸くしたままその場で固まってしまう。だが追ってきた男の舌打ちを聞きながら少しづつ後退る。その隙に流れるまま逃げていくのだった。