晴れた日の朝だった。 空は雲ひとつなくて、綺麗な青色をしている。 ビルやマンションが立ち並ぶ都会の街並み。 路面電車を使って、定期券でバスに乗り換えて、すこし歩けばすぐ学校。 そんな毎日。 「おはよう!」 と。わたし、谷ノ森 雪ヶ(やのもり ゆゆ)より遅く来たクラスメイトに手を振る。 その子は太刀春 信久(たちはる のぶひさ)。 いつもちょこっとだけ寝癖がついてて、ポロシャツと制服のズボンで着てる男の子。 わたしと同じ高校2年生。 「あぇー!おはよう!」