「あっ」
「ど、どうしたの?」
撮影場所に、行くときにふと思い出した。
「後ライブまで7日間しかない…」
これは、いけるかな?


「あぁそんなことかー!そんなの出来るにきまってるでしょ。私とゆあは、歌と音楽、それから、ファンを楽しませるだけ。ほとんどは、そうでしょ?」


そうだ。
あまねの言うとおりだよ!
けど…いつも私『チェリー』の動画のコメントを読んでも、あまねの方が人気って分かる。


ーパシッ!
「えっ?」
「何考えてんの。考えてるひまないんでしょ!じゃあ、はやくやろう!」


あまね…
「そうだったね!ありがとう!あまね!」
「ふふっ」



「あ、ゆあさんあまねさん!仲良くなってよかったです!」
撮影場所にきた私たちを、スタッフさんが言った。


「「もともと仲良かったです」」
あ、あまねも同じこと思ってた…

やっぱり気が合うね!
さすが友達。

「で、何したらいいんでしょう?」
それを聞かないと始まらないよ。

「あ、そうですね。えっと…あの、私は、わかんないんですけど事務所にきいてもらっていいですか?」


事務所は、隣のしせつだから、すぐ近く。
いこう! 

「あまね行こっか」
「うん!」


「「ありがとうございました!」」


「はい!」


【頑張って】
「こんにちはーお疲れ様ですゆあさんあまねさん」
「「お疲れ様です」」


事務所と、撮影場所が近いのってめずらしいよね。いつも思うんだけど。


「あ、もしかしてライブのことですか?」

「はい。そうです」


「そうですか。音楽のプログラムと、立ち位置です!立ち位置は、あまねさんが、前でというのは、お聞きしているんですけれども」


あ、結構決まってる…
今まで三回ライブをしたことあるけど今回ギリギリだから、そちらで決めたのかも。

でもあまねは…
「それって今からかえても問題ないですかね?」

これでいいよ?
あまね…?

「はい、大丈夫ですよ!」

「変えてきます」

と言うので、立ち位置を決める。



「あの、あまねは、どうしたいの?私は、これでいいよ?」


「本当に?わたしは、二人で前がいいんだけど」

えっ!?
「それでいくつもり!?」
なんでこうなった?


「うん!」
嘘でしょ?
「ゆあ」

「な、なに?」
「考えててもしょうがないでしょ。本当は、それがいいんだよね?分かってるんだから」

ーギクッ
あまね今、魔法で心読んだな…

「リーダーが、不安になってどうすんの?
これを乗り越えるのが、『チェリー』なんでしょ?」

あまね。よく分かってるんじゃん。
いつも助けてもらってばっかりの私が、私なりに頑張らないと。


怖くて、不安だけど、

頑張るしかない。

「分かったそうしよう!」

「えっ…う、うん!」
あまねが、動揺するのもおかしくない。
でも納得できたからいっか。
二人でプログラムを決めに席を立った。