その言葉に涙が溢れてくる。
どんどん流れる涙に、胸が熱くなるのを感じる。

そして、鷹村さんが私の手をそっと取る。

「橋本楓さん、俺はずっと君の料理を食べていたい、
 これからも一生一緒にいてくれ」

その言葉を聞いて、

「え?プロポーズもまだで叔母ちゃんに結婚の許可取ったの?」

と椛が叫んでいた。

「もう、決定事項なんですね」

大きく頷く鷹村さんに、
本当にこの人が好きだと心が満たされる物を感じる。

「一生料理作ります」

自然と口から言葉が溢れていた。

ぐいっと鷹村さんに肩を寄せられ、優しく抱きしめられる。

「本当に嬉しい、今日は人生で最高の日だ!、
 でも、これから人生最高の日が何度もあるんだろうな」

「キャンプと釣り、行かないといけないですね」

少し恥ずかしい気持ちになりながら、早口で言う。

「お姉ちゃん、デートの時白いパンプス履いてたんだよね」

椛が言う。

「デート?料亭に行った時の事を言っているの?
 その時なら、確かに白いパンプスを履いてたけど・・・」

「祐介さんはその時のお姉ちゃんに惚れたって!
 お姉ちゃんは、『白いパンプスのシンデレラ』だね」

その言葉に3人で笑ったのだった。