深夜1時のミルクティー

私が頷くと塩谷君はお湯を沸かしながら、台所に置いていた、コンビニの袋を私に差し出した。

「先輩、お菓子食べません?」

「えっ!? 今から? 私がダイエット中って知ってるくせに」

私が恨めしげに塩谷君を見ると、彼は頬の横に人差し指を立てた。

「なんか夜中に誰かと一緒だと、ま、いっかってなりません?」

「確かに。それはなるわね」

「でしょ? はい、どうぞ」

私は塩谷君からコンビニの袋を受け取る。そして彼が再び台所に向かうのを見ながらコンビニの袋の中を覗き込むと、思わず歓喜の声をあげた。


「ちょっと! うちの新商品のスターツチップス梅味とノベマンチョコウエハースじゃないっ」

「そうです。我が社の人気商品のひとつである、ノベマンチョコウエハースの新作は先輩の好きなキャラクターとのコラボシール入りですね」

「きゃあ、激アツ! まだ買ってなかったの〜」

「だと思いました」

塩谷君がマグカップを両手にやってくると、熱々のミルクティーを私に差し出す。

「じゃあ深夜の試食会始めますか」

「そうね、今夜はミルクティーで無礼講よ」

「あははっ。じゃあ乾杯」

「かんぱーい」


私は塩谷君とミルクティーで乾杯をすると、早速、お菓子の袋を開けた。