ためらい

　決して本気にはならないと心に決めて、まるでティーンの淡い恋のようなかわいいデートを重ねた。

　しかし、星夜は知り合ってまだ日が浅いのに、
「最近、友達がどんどん結婚していくんだよね」
　などと、さりげなく結婚をちらつかせるようになり、どう答えていいのかわからなくなってしまう。

　実は、未だにハッキリと年齢を伝えていないどころか、干支が同じだとわかった時、
「同い年だったんだね！」
　無邪気な笑顔で言われ、それは流石に冗談だろうと思ったが、どうやら、本気でそう思い込んでいる様子なのだ。

　決して、深入りしてはいけない⋯⋯。

　今さら、どう切り出していいのかわからないし、果たして星夜が本気なのか、本気に見せかけて楽しんでいるのか、実に読めないのだ。