彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「ふ、船越師範・・・!?」
「クックックッ!ざまあみろ!!ロイヤルホストに入った時に、LINEで連絡しておいた私のアッシー共だよ!!」
「あ、『あっしー』・・・・て、なんですか??」
「足代わりになってくれる男のことさ!助かったよ、タカ&トモ!!」

「え!?」

(タカ&トモ、だと!?)





まさかまさかと思い、運転席と助手席に目をやれば――――――――





「無事っすか、師範!?」
「俺らの連係プレー、決まったでしょ、師範!?」





(ス、スカイハイのタカ&トモさんじゃないのぉ~~~~~~!!)





〔★知ってる走り屋だった★〕



「お、その制服!あゆみが丘学園の女子高生じゃないすか、師匠!」
「その子がピンチだったんすか、師匠!?」
「そうだよ。とりあえず、図書館までこの子を運んでおくれ。」
「「了解しました!!」」
「あ、あの・・・」
「ん!?どうした、凛!?」



私を膝からシートにおろし、ゆったりとくつろぎ始める船越師範に、私は恐る恐る聞いた。





「船越師範・・・こちらの方々は・・・どういった方々ですか・・・・?」
「ああ、同じ走り屋仲間さ!」
「走り屋!?空手じゃなくて!?」
「お嬢ちゃん、師範は車の運転も上手いんだぜ!」
「そうそう!女子高生ちゃんが知る空手の先生とは違う一面を持ってるんだよー!?」
「そ、そうでしたか・・・」
「クックックッ!多趣味じゃなきゃ、ボケちまうからね!!」





(これ・・・知ってしまってよかったのだろうか・・・てか、私、シルキロールしてないとはいえ、顔がバレたらヤバい!!)





師範の知らなかった一面を知り、あっけにとられると同時に、慌ててうつむく私。





「あれー!?お嬢ちゃんどうしちゃった!?」
「まさか車酔い!?大丈夫!?」
「だ、大丈夫です!お気になさらないで下さい・・・!!」





2つほど高いトーンの声で返事をする。
これに師範が、私の肩を叩きながら笑う。