「なんてことするのですか!?どこまで私をいじめれば気がすむの!?」
「お前、マジ殺すわ。」
「脅迫ですか!?」
「そう言ってられるのも、今のうちだけ。期末テスト対策のまとめを用意しなかったゴミは、処理するに限る。今から、プランGを発動する。」
「はあ!?だからどういう意―――――――――――!?」
「ついに実行するのか、ルノア!?」
私の問いかけは、楽しそうな飯塚の声にかき消される。
同時に、クラス全員が楽しそうに笑いだす。
「成功するかな!?」
「バッチリよ!」
「退学するに一万かける!」
「自殺しても、自業自得で済むだろうな!」
「あれをマジでやるんだ~!」
「めっちゃ準備したもんね~」
「必ず、上手くいくわ!」
クスクス、ケラケラと、笑うクラス中の男女。
唯一、笑っていない無表情の渕上を見れば―――――――――
「バイバイ、被害妄想の塊の菅原凛。自業自得になれ。」
意味深な言葉を残し、自分の席へと戻っていく。
「待って!どういう意味か、説明を――――――――!!」
そう叫んだ私の言葉は、今度は予冷のチャイムにかき消された。
すぐに、数学担当の教師が入ってきた。
そして、立ち尽くす私と、黒髪が広がる私の机を二度見して、ため息交じりに叫ぶ。
「問題児の菅原凛!!早く机をきれいにしろ!!みんなのテスト開始が遅れる!!」
「・・・すみません。」
下唇を神ながら言えば、ドッと明るい笑い声が上がる。
手早く自分の髪をかき集め、ゴミ箱に捨てて席に座る。
その間も、私を指さしながら笑う姿はやまず、数学担当教諭もやめさせることはしなかった。


