彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




「おい、ゴミ原!テストに出そうな問題、何でまとめてないんだ!?」



(なんでまとめると思ったんだよ!だれが、お前らが得することなんかするかよ!!)



だから、テストに出そうな問題のまとめは家に置いてきた。
家を出る直前に復唱して学校に来た。
いじめっ子への仕返しのつもりで。



「なんとかいえよ、ゴミ原!!赤点取ったら、お前のせいだぞ!?」

グイ!

「痛い!」



中山も、飯塚と一緒になって髪をつかんで、揺さぶってきた。
それで私もつい、声を出してしまった。





「私を、菅原凛をいじめるいじめっ子達を、誰が助けようと思うのですか・・・!?」
「なんだと!?」
「生意気だぞ!」
「私の髪から手を放して下さい!!いじめをやめて下さい!!」

「「この馬鹿おん――――――――――!!」」

「アダム、中山、手を離しな。」





いじめっ子男子二人に、そう命じたのは、





「ルノア!?」
「本気!?渕上ちゃん!?」





いじめっ子のボス。
けだるそうに自分の爪を見ながら、私を見ることなく言った。





「2度も言わせないで。」
「わ、わかったよ。」
「チッ!運のいいバカ女!」

ブチブチ!

「痛い!」





飯塚と中山は、手を放す時、私の髪を引き抜きながら話した。
おかげで、机の絵は私の黒髪が一面に広がった。





「ひどい・・・・・・・・!!」
「今後、そう言われる側になるのはお前だよ、菅原凛。」
「どういう意味!?」





思わず顔を上げれば、渕上と目が合う。

相手は、珍しくニヤリと笑うと――――――――






「菅原凛は、自分がいじめられっ子だと思ってるんだってー!!」

バシッ!!

「あっ!?」






思いっきり頬を平手打ちされた。