彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




「ゴミ!!お前の山勘当たるから、あたしらに提供しろってのが、わからないのか!?」
「生意気に無視してんじゃないよ!!ねぇ、ルノア!!?」



そう言って、いじめっ子のボスである人物の名を呼ぶ子分たち。



「ルノア!ゴミが生意気に、テストに出る問題教えない気だよ!!」
「底辺国民が、上級国民のあたしらに逆らうよ、ルノアっち!」



2人の視線・・・全員の視線が、ルノアと呼ばれるクズに注がれる。





「・・・中間テストでは、テストに出そうな場所、テスト前に見てたのに、今回は見てないってこと?」

ギギ!





と、椅子を引く音に合わせ、独特の香水の匂いが強くなってくる。
ルノアが、私に近寄ってきているあかし。





「数学のタブレッドまでしまって・・・余裕じゃんか、菅原凛?」





そう言いながら、座っている私の目の前に来たのは、渕上ルノア。
私をいじめているいじめのボスだ。





「テスト対策してないのかよ、菅原凛?」
「・・・。」





無視して黙っていたら、強く髪を引っ張られた。





グイ!

「痛い!」
「さっさと、テストに出る問題見せろよ、ゴミ!」





そう言って私の髪をつかんでいるのは、渕上ルノアの恋人の飯塚アダムだった。





(もとはといえば、お前に宿題を見せてやっていたせいで、渕上に私はイジメられるようになったんだろう!!?)





「なんとか言えよ!タブレッド出せよ!時間ないだろう!?」





髪を強くつかんで揺さぶってくるが、私は動かなかった。
確かに中間テストのときは、テスト対策でまとめた問題だけを、テスト開始直前に見ていた。
それに気づいたいじめっ子男子の1人、中山という奴がみんなに言いふらし・・・・・中間テスト期間中は、私のタブレッドはクラス中に回覧板された。





「ダメだ、アダム!こいつ、中間の時みたいに、テストに出そうな問題まとめてない!」
「あ!?何勝手に、私のカバンを開けてタブレットを見てるのですか!?」





気づけば、いつの間にかかばんを奪って、私のタブレッドを取り出した中山が、勝手に中身を閲覧してる。