「今日、凛の面拝みに来た中尾も、催馬楽も、児雷也も、くせもんだ・・・。バトルロイヤル当日まで、児雷也以外は、小細工しかけてくるもんだと、覚悟して警戒すんだぞ。いいな?」
「え?そうなのですか??」
「そうだから忠告してやってんだよ!気を抜くなよ、お人好し!」
そう言って、組んでいた腕を離して、私の背中を一発バシッ!と叩くカンナさん。
「おう!?」
「じゃあな!またな、凛!」
私から離れると、瑞希お兄ちゃん達初代メンバーに頭を下げながら言った。
「真田先輩、モニカ先輩、みなさん、馬鹿なツレがすんません!!今夜は失礼します!!」
「おお、事故んなよ。」
「高千穂ちゃん、明るい道通って帰るのよぉ~」
「気にしとらん。」
「わはははは!!」
「あざーすっ!!」
通常運転の瑞希お兄ちゃん達に、ホッとした顔を見せると、カンナさんは私へと手を振って、悠斗君達を追うようにガレージの方へ行ってしまった。
ほどなくして、カンナさんのバイク音も上がり、ガレージから出て行ったのがわかったので、円城寺君を追いかけて行ったのだと理解した。
「やれやれ・・・大河の気の短さにも、困ったもんだ・・・。」
「瑞希お兄ちゃん。」
爆裂団がいなくなったところで、しみじみという私の好きな人。
「何言ってんだよ瑞希―?円城寺紀の導火線の短さは、瑞希限定だろう?」
「はあ?この話、凛と大河の問題だろう?」
「何言ってんの、みーちゃん?円城寺ちゃんは、自分が無視されてる姿を、愛しのみーちゃん・・・瑞希さんに見られて、恥かいたってすねてるのよ?」
「あ?別に大河は、恥ずかしい目になんてあってねぇーだろう?」
「馬鹿者。今日来た3バカは、円城寺を東山高校のトップと認めず、凛道にばかりアプローチをしていただろうが?お前が円城寺の立場になった時、どう感じるか考えてみろ。」
「あ~・・・・なるほどなぁー・・・・」
「わはははは!!んなこと、どうでもいいじゃねぇか!!この調子で、ガキどもの祭りがめちゃくちゃになれば、俺様が暴れられるチャンスが来るってもんだぜー!!頼むぞ、凛助~!!」
「はあ!?勘弁して下さいよ、百鬼さん!!これ以上カオスな状況になるのはごめんですよ!?」
楽しそうに不吉なことを言う野獣に頭痛を覚える。


