彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






先に会った2人が・・・特に催馬楽愛天央(さいばら メテオ)が悪すぎたせいか、児雷也虎太郎(じらいや こたろう)がすごく良く思えた。





(どの道、話はしないといけない流れよね・・・。)





そう思ったので、私は口を開いた。





「みなさん、前を開けて下さい。」





私の言葉に、私の前にいる仲間達が振り返る。





「凛!?」
「凛さん!?」
「リンリン!?」
「我が君・・・。」
「凛先輩!?」
「うははは!このあんちゃんと、話する気か、凛!?」
「そうです。」





短く答えれば、仲間達が目を見開く。





「凛!!相手にする必要なんかないぞ!?」
「初代総長のお言葉を聞いたでしょう、カンナさん?」
「そ、それは!」
「大丈夫です。だから、通して下さい。」
「うははは!OK、OK!通れ、凛!!」
「ありがとう、ヤマト。」





関西男子が道を開けたことで、他の仲間達もみんな・・・しぶしぶという感じで、私の前からどいてくれた。
それで前に進めば、満面の笑みで私を見ている人物と向かい合わせになった。





「こんばんは。」
「おう!こんばんは!!お前が、あの凛道蓮か!?円城寺よりガキだが、風格があるじゃねぇか!?気に入ったぜ!」
「お褒めにあずかり恐縮です。」
「よしてくれよ、堅苦しい言葉遣いは!噂通り、礼儀正しいんだな!?あ!?じゃあ、俺も礼儀正しくしないとダメだな!?」





そう言ってポン!と手を叩くと、両手を腰に当てながら言った。





「初めまして、凛道蓮!俺は南原高を仕切ってる児雷也虎太郎(じらいや こたろう)だ!!よろしくな!!」



(・・・・・やっぱり感じのいい人ね。こちらが問いただす前に、挨拶をしてきた・・・本当に、挨拶だけしに来たのかもしれない・・・。)





そう思いつつ、私も笑顔を作りながら言った。