「おっ!?わかったぞ!!あんたが、真田瑞希さんだな!?」
「・・・俺を知ってるのか、坊主?」
「たははは!当然だろう!?高校時代に全国制覇した伝説の最強暴走族・龍星軍の初代総長にして、女に間違われやすい見た目をしたケンカの達人となれば、この中であんたしか該当しない!!ひでーよな!見た目だけで女扱いしやがるとは!」
「・・・そーだな。オメーは間違えられることはないだろう?」
「たははは!ないない!文化祭で女装喫茶したけど、モテなかったぜ!!悪口じゃねぇけど、マジで可愛いし、きれいだな、生の真田瑞希さんは!?」
「ちょ、ちょっと、あなた!!真田瑞希様に失礼ですよ!?」
「瑞希さんに喧嘩売ってんのか!?」
私と円城寺君が注意すれば、あっけらかんとした様子で児雷也虎太郎(じらいや こたろう)は言った。
「え?ケンカなんか売ってねぇーよ?可愛くてきれいなのはマジだから、褒めてるだけじゃんかー?つーか、その見た目で苦労したって聞いてるぜ!大変だったな、真田瑞希さん!」
(こいつ瑞希お兄ちゃんを怒らせたいの―――――――――――!!?)
修羅場が発生する!!
瑞希お兄ちゃんの怒りがさく裂する!!
そう思って身構えたのだが―――――――――
「ははははは!!」
「え!?」
当のご本人、真田瑞希様は大笑いをしただけ。
「オメー、児雷也虎太郎(じらいや こたろう)って言ったか?肝が据わってて、おもしれーやつだな?」
「たははは!一緒にいて退屈しないって、女からは言われるっす!その割に、告白は惨敗ばっかだけどなぁー!」
「・・・気に入った。凛、児雷也虎太郎(じらいや こたろう)のあいさつに答えてやれ。」
「えっ!?」
(瑞希お兄ちゃんが機嫌を損ねなかった!?)
いつもなら、可愛い・キレイと言われれば、怒鳴りながら怒るのに・・・
(この南原高校の番長、あなどれない・・・!!)
なによりも、瑞希お兄ちゃんを良い笑顔にしやがって!!
ありがとうよ、こんちくしょうー!!
〔★瑞希の笑顔、凛は喜んでいる★〕


