彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「え~!?それ使っちゃうー!?」
「くっ!?凛道テメー!?」
「初代の前だぞ、オメーら。俺の総長命令、シカトさせねぇぞ?」
「4代目の言う通りだ。初代総長としても、総長命令を発令する!異論はないな、大河、幡随院!?」
「「・・・押忍。」」





漢モードで伝えれば、瑞希お兄ちゃんも私に同意してくれた。
これで、渋々という感じでお互いに顔を見合わせながらYESの返事をする円城寺君とちーちゃん。





〔★強制命令で強制的に決定した★〕





「同意に感謝する。これで、西岸高校対策は出来ましたね、瑞希お兄ちゃん。」
「そうだな。」





そんなやり取りをかわした時だった。





ガンガン!!





激しく戸を叩く音が室内に響いた。





「え?」





音がしたのは、お店の出入り口。





「こんばんはー!!夜分にすんませーん!!急で悪いとは思ったんだけど、凛道蓮に会いに来ましたー!!あいさつに来ただけで、ケンカする気はないんで、ここ開けて下さーい!!」





ヤマト並みの大声で、そんな言葉が発せられた。





「・・・瑞希お兄ちゃん。」
「フー・・・closeの看板読めねぇのかよ・・・ヤマト、戸を開けてやれ。」
「うはははーい!」





関西男子を指名する瑞希お兄ちゃん。
指名されたヤマトは、軽い足取りで出入り口まで行くと勢いよくドアを開けた。




ドンド・・・!!

バーン!!カランカラーン!!

「うははは!」
「うお!?」





それで、こぶしでノックしていたらしい人物が、前のめりで室内に入ってくる。
これを見て、カンナさんが叫んだ。






「南原の制服!南原のもんか!?」
「お!?その声は、高千穂カンナかっ!?」






そう言って、前のめりになった人物が上体を起こす。





(デカい!!)






ヤマトと変わらないぐらいの身長。
体つきは百鬼寄りの筋肉質で、可児君並みあった。
その姿を見て、円城寺君が叫んだ。





「児雷也虎太郎(じらいや こたろう)!!」
「『じらいやこたろう』?お知り合いですか?」
「南原のボス2年の『児雷也虎太郎(じらいや こたろう)』だ!!」
「え!?南原高校の番長さん!?」
「そうそう!俺が南原の番長だ、坊主!」





笑顔で語る姿はすごく気さく。
相手は店内をきょろきょろと見渡すと、瑞希お兄ちゃんで視線を止める。