「りんどうれん、だっけ?チョコちゃんそう呼ばれてたけど――――――本名?」
「こ、個人情報保護法により、ノーコメントです。」
「じゃあこれ以上は聞かないけど、タイマンっていうのはね、決闘罪になるからしちゃダメよ!?関わっただけでも、罰せられるんだからね!?わかった!?」
「わ、わかりました!」
(わかりましたけど~しなくちゃならないのよね――――――・・・・・・)
「ところでチョコちゃん、私のオーダーどうなってる?」
「ああ!?しまった!まだ伝えてなかったです!!申し訳ございません!!」
「いいよ、いいよ!逆に良いって!値段に関係なく使えるタダ券がもらえて、しかも今日から使えるなら、いつもは手が出せないお高めのコーヒー飲むから、エスプレッソから変更して♪」
「か、かしこまりましたー!!当店で、一番値段が高いコーヒーで、オーダーを受け付けました!」
「よろしくね♪」
「はい!」
「返事は御意じゃないのー?」
「ぎょ、御意!」
「うふふふ♪なんだかんだで、やっぱり可愛いんだから~チョコちゃんは♪」
頭をなでられつつも、頭をペコペコ下げてから、瑞希お兄ちゃんの方へ向かう。
「8番テーブルさん、当店で一番高いコーヒーをオーダーです。」
「りょーかい!じゃあ、2番テーブルに、当店で一番高いコーヒーを持って行ってくれ、凛!」
「承知いたしました。」
「頼んだぜ、凛!おーい、大河!オメーらは部屋に戻れ!商売の邪魔だ!」
「あの!瑞希さん!!西岸の奴のことは――――――――!!」
「話は閉店後だ、大河!幡随院からも聞き取りするから、そのつもりでいろよ。」
「りょーかい系~真田せんぱぁーぃ。」
危機は去った。
しかし、私の仕事はまだまだ続く。
思わぬ得をした客達がいる一方で、従業員の個人情報が漏れたことを手痛く感じる店側だった。


