彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「菅原凛さん、今、どこで暮らしていますか?」
「私の製造元が何か言いましたか?」
「私の方から、ご両親に捜索願を出すように勧めましたが、世間体を気にされて相談だけになったのですよ。」
「なら、お話しすることは何もないですね。」
「いえ、女子高生が、それも未成年が住所不詳だと、1人の大人として心配になります。誰にも言いませんので、私だけにでも、教えて頂けませんか?」


「岩倉の上司に私が話すと思ったかっ!!?」





いい加減面倒になったので、大声で怒鳴りつける。
これに周りの通行人は驚いたが、バラさんは動じなかった。





「なるほど、なるほど。信頼できない相手には言えませんよね。」
「ご理解頂けて良かったです。失礼します。」
「ちなみに、きちんと食事が出来て、入浴もでき、睡眠も十分にとれる環境ですか?」
「・・・フジバラさんでしたっけ?」





あまりにもしつこいバラさんに、不快感をあらわにしながら告げる。





「なぜ、私にからむんですか?」
「知ってる子供に、そっくりなんだよ。」
「!?」





そこで初めて、バラさんから敬語が消える。





「そいつは、放っておけない坊やで、菅原凛さんとは正反対。ところが、菅原凛さん、君を見ていると、脳裏に坊やがちらつく。心配になる。」
「お優しいのですね。じゃあ、その坊やさんだけ心配してあげて下さい。」
「菅原凛さん・・・お前さんが、周りを信用できなくなった気持ちは痛いほどわかる。その原因を作ったのが、俺の部下であることも承知してる。それでも―――――――チャンスをくれないか?」
「チャンス?」
「もう一度、俺達を信じるチャンスだ。」
「そんなもの、永遠にないです。失礼します。」





バラさんの言葉に嘘はない。

だけど、今は信じたい人だけ信じていたい。

だって、瑞希お兄ちゃんは私を裏切らないから。





「菅原凛さん!」





まだ何か言おうとするバラさんを無視して走って逃げる。

ある程度走ったところで、振り返れば、立ったまま、動くことなくこちらを見つめているバラさんがいた。





(なんなのよ。)





そんなバラさんの視界から消えるため、私は全速力で走ったのだった。










~絡み合う人間関係!!勝ち残るのは誰だ!?~完~



~彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)~完結~