彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




食事を終え、早めの夜食をもらい、お休みのあいさつをお父さんとかわす。



「食べ終わったお皿は、部屋の前に出しておきなさい。」
「うん、わかった。ありがとう、お父さん。」
「今回のテストも、ベスト10に入るんだぞ!?」
「うん、頑張るよ。」
「『頑張るよ』、じゃない。『入る』、だろう?」
「・・・入るよ。」
「凛は、どうも気が弱くてダメだな~!もっと自分に自信を――――!」
「あなた!いつまで凛の部屋にいるの!?勉強の邪魔をするの!?」
「な!?邪魔なんかしてないぞ!?」
「しゃべりこんで、邪魔してるじゃない!?」
「誤解だよ、お母さん。お父さんは、私を応援してただけだから。」
「そ、そうだそうだ!早とちりするなよ!」
「はいはい!凛がそう言うなら、そういうことにしとくわ!」
「可愛くないな・・・!」
「なんか言った!?」
「なにもいってませーん!じゃあな、凛!」
「うん。勉強に集中したいから、朝まで部屋には来ないでね?おやすみなさい、お父さん。お母さんも、おやすみなさい。」
「わかってるさ、凛!おやすみ!」
「わかってるから、しっかり勉強するのよ。おやすみ、凛。」



私の頼みに同意すると、やっと部屋から出ていく2人。
しばらく、私の部屋の前で、言い争う声が続いたが、次第にその会話は遠ざかっていった。



「・・・・・英才教育に熱心なのに、方向性が違うとあんなにももめるのね・・・・」



ため息交じりにつぶやき、お父さんが握ったおにぎりを食べ始める。
両親は昔から、私がいい職業につけるようにと、教育面に関しては熱心だった。
だから高校は肩書が良い、あゆみが丘学園を受けさせられた。
親が決めた人生を歩いてきた。