「『今日、渕上ルノアさんに殴られた。殴られた理由は、渕上ルノアさんの彼氏を誘惑したからだと言われた。私は宿題は見せていたけど、誘惑なんてしていない。それなのに、それを理由にいじめをすると言われた怖い。助けてほしい。』」
(え!?)
覚えのある文言に、顔を上げる。
「菅原凛、几帳面な性格だけあって、曜日までノートに書きこんでるわ~」
そう語る渕上ルノアを、私は見てしまった。
「あ!?」
それで衝撃を受ける。
渕上ルノアの手に、見覚えのあるものがあった。
「私のノート!!」
(奪われたいじめを記録したノート!!)
思わず叫べば、渕上が立ち上がる。
「菅原さんいけないんだー教室でタバコを吸うなんてー」
「なっ!?」
渕上の言葉に合わせ、綿の手袋をした鳥海が、1本の煙草を私に見せる。
それに難波がライターで火をつける。
それを見届けた渕上ルノアが、無邪気にほほ笑む。
「きゃあ~タバコの火が、ノートに引火しちゃったー」
その言葉に合わせ、難波が持っているライターの火を、私のいじめ記録ノートにつけた。
ボッ!!
「危ない!!」
やめてというより、危険という意識の方が先に働いた。
手に持っていたタブレットの残骸が入った袋を、自分の机の上に置く。
それに合わせて火のついたノートを、渕上ルノアが私に投げつけてきた。
(あぶねぇ!!)
とっさによければ、床の上で萌え始めるノート。
(火を消さなきゃ!!)
急いで、教室の後ろに設置されている消火器を手にし、中身を燃え盛るノートに噴射した。
ブシュ―!!
(最近、消火器使うことが多いんだけど!?)
どうなのこれ!?
(てか、消えろ!消えろ!消えろ!!)
床が真っ白な泡で白くなる。


