彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






重苦しい空気が消え、不愉快な空気に変わった。





「ついてきなさい、菅原凛!」





私の腕を引っ張り、引きずるように教室から連れ出す井谷。




「そのままずっと、帰ってくるな!」





そんな私の背後から、中山が捨て台詞をはくが無視した。





「まったく!!カンニングした生徒の世話は大変だわ!!」





わざわざ大声で言わなくていいことを言いながら、廊下を進む担任教師。
その声で、みんながこちらを見て、菅原凛だと認識するとクスクス笑う。
指をさしながら、ニヤニヤ顔で小声でしゃべる。





「井谷先生、自分で歩けますから、腕を離してく――――――」
「あーあ!!盗人が逃げないように手をつかんでなければいけないから大変だわ!!」





私の言葉をさえぎり、更なるデマを拡散させる井谷。





(黙っていた方が利口か。)





捕まれる腕は痛かったが、我慢できる程度のもの。
私が痛がらないので、井谷は力を強めてくるが、琉球空手で鍛えたからだは、教科書ぐらいしか重いものを持たない悪力に負けるはずがなかった。





「着いたわよ、菅原凛!!」





そう言って案内されたのは、B組と同じ階に設けられている生徒同士が交流するための談話室。
中央に机といすが1人分用意されていた。
多分、あそこに座るのだろう。
そう思ったので、井谷の手を振り払って離れた。





バシッ!!

「ぎゃあ!?」





勢いよく私が腕を払いのけたことに、驚きの声を上げる担任教師。