「飯塚君、中山君、2度も言わせないで下さい。私に、菅原凛に謝りなさい。」
「いい加減にしろ菅原凛!!」
パン!
いつもと違う空気に耐えられなくなって、井谷が私に手を出した。
「お前が悪い!!お前が、2人に謝れ!!菅原凛!!」
呼び捨てかよ・・・と思ったが、フーフーと息をしながら言う井谷に私は告げる。
「お断りします。私は悪いことしてません。と、申し上げたところで、すべて私の被害妄想なんでしょう?それで片づけたらいいじゃないですか?――――さっさと授業を始めなさい!!」
「っ!?」
怒鳴りつければ、井谷が一歩身を引いた。
難波も、鳥海も表情をゆがめてる。
みんなが、化け物でも見るように私を見ていた。
でも、もうどうでもいい。
「早く出欠とって下さい。」
そう伝え、カバンから筆記用具を出せば、井谷が我に返ったような表情になる。
「きょ、教師に逆らうな、このクズ!!お前は今日、授業は受けられないんだよ、菅原凛!!」
「へえー理由は何?」
「な!?きょ、教師にため口を聞くな!!立て!!」
そう言うと、私の腕をつかんで強引に立たせる。
「なんですか?」
腕に食い込む指が痛かったけど、我慢してそっけなく言えば、目を見開く井谷。
いつもの菅原凛なら、痛いというのが、痛いと言わなかったのが、そんなに驚くことか?
「井谷先生、私に何の用ですか?」
無表情で問えば、私をにらみつけながら言い放った。
「菅原凛!!お前は別の教室に移動だ!!案内してやるからついて来い!!」
「なんのためですか?」
「お前には、期末試験の再テストを受けてもらいます。」
生徒をお前呼ばわりする教師に、怒りを通して呆れた。
「初耳ですが?」
呆れつつも、冷静に返せば――――――――
「はい、嘘ぉ~!!!」
と、おどけながら井谷は言い放った。
「やだ~井谷先生がアホになったぁ~」
甲高い声を上げる鳥海に、茶化す口調で井谷が答える。
「先生だって、アホ相手にするんだから、同じアホにならなきゃいけないでしょう?」
「きゃははは!それもそっかぁ~!!」
クラスメート全員が笑う。


