彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「お客様!お待ちください!」
「待てない!俺、チョコちゃん指名したから!」





モニカちゃんをあしらうと、私の目の前まで来て立ち止まる。
そして、ニヤリと笑うと言った。





「とりま、この店で一番高いカフェインを全員分ね♪お出迎えしたオネェさん!」
「「「「「「!?」」」」」」





ハーフの言葉に緊張が走る、私と瑞希お兄ちゃん達初代龍星軍メンバー。
モニカちゃんは、お店では男性としてふるまっている。
それをオネェさんと知ってるとなると―――――――――





(暴走族関係者!?)





動揺する私をよそに、モニカちゃんは熱演する。





「ぷっ!・・・俺、男だけど?」





困り顔で言えば、私に視線を向けたまま、ハーフ男は返事をする。





「そーでした!ごめんね~勘兵衛さーん♪」
「なっ!?」





それでモニカちゃんが一瞬般若の顔になる。





「え?勘兵衛?」
「勘兵衛って何?」
「モニカ君のこと?」
「え?モニカって源氏名??」





お店で、男性もに顔を演じているモニカちゃんに、お客さん達の動揺が広がる。





「俺!名前はモニカなんだけど!?」
「そーですね!じゃあさ、チョコちゃん今から休憩時間ね!俺と一対一でおしゃべりな!」

グイ!

「え!?ちょっと!?」





そう言うなり、私の腕を引っ張り、開いている4人掛けの席に横並びで座らせるハーフ。





「お客様、勝手な真似をされては困ります!」





そう言いながらモニカちゃんが近づけば、連れである十数人が私とハーフ男を取り囲むようにして壁になる。
モニカちゃんが私に近づけないようにしてしまった。





「モニカさーん、一番高いコーヒーを、チョコちゃんの分も含めて15人分ね!あ、こいつら立ってるのが好きだから、立ち飲みさせるんで無理に席開けなくていいよ!お気遣いなく~♪」
「なっ!?それが困るって言ってるんだ!」
「なぁ!チョコちゃんさ!噂通り小さいのな!?」
「あ、あの、お客様!?」
「そう、俺お客様!君、店員!立場わかってるね!?OK!?」
「いや、あの!当店で、フリーダムされると困ります!あと、距離が近いです!」
「あ、わかるの~!?俺が常にフリーダム主義なこと!?観察してるから、これぐらいの距離がいいわけ♪」
「か、観察!?」

(なんなのこのお客さん!?意味わからないんだけど!?)



「・・・お客様、いい加減にして下さい。」





低い声が店内に響く。
怒らせてはいけない人間が動いた瞬間だった。