部屋中に破壊音が響き渡る。
「ちくしょう!!」
テーブルに飾ってあるガラスの置物を床にたたきつける。
ガッシャーン!
それはあっけなく砕け散り、粉々のガラスの砂へと変わる。
「そんなに昨日の試合が気に入らなかったのか?」
「最悪よっ!!」
そう答えて、万単位のする灰皿を壁に投げつけた。
メキ!
高いだけあって、簡単には壊れなかった。
しかし、木製の壁に凹みが出来る。
その前まで、ドスドスと足音を立てながら行くと、側にある鑑賞用の植木鉢をつかむ。
「凛道蓮――――――――――!!」
バギ!!パキーン!!
ドサドサドサ!!
鉢の部分を壁に叩きつければ、鉢に亀裂が入って割れる。
中に入っている土が床に広がる。
灰皿で凹んでいた部分が、鉢を叩きつけられことにより、さらに大きく深く凹んだ。
「くそ!!」
それでも怒りは収まらず、ソファーに置いてあった高価なクッションを引き裂いた。
「ジャック・フロストがぁ―――――――――――!!」
ビリビリビリ!
生地を引きちぎったことで、中の羽毛が舞う。
肩で息をしながら、周りを待っている気を見ていたら言われた。
「小悪魔が悪魔になってるぞ。」
相手は―――――――――――私の今の本星が、楽しそうにほほ笑む。
「・・・ありがとう。小悪魔から悪魔に、昇格して呼んでくれるのね?」
「俺はどっちのアキナも好きだぞ?ひどく蠱惑的(こわくてき)だ。」
そう言いながら近づくと、私を引き寄せてソファーに押し倒す。
「アキナ、凛道蓮を殺す楽しみが伸びたと思え。延長戦はもつれ込むほど、ややこしくなって面白いぞ。一思いにとどめを刺すよりいいだろう?」
「そうね・・・楽になんて、逝かせてあげない・・・・!!」
そう告げて、相手の――――――男の唇に食らいつく。
彼は慣れた様子で私の口を吸うと、快楽を与え始める。
(陽翔・・・・・・!!)
すぐだから。
もうすぐだから。
もうすぐ、凛道蓮をそっちに送ってあげるから。
(だからもう少しだけ、私の火遊びを許してね―――――――?)
心は唯一愛した男のことを考えながら、身体は何の感情も持たない権力者へと捧げた。
~悪女が花を添える!?漢同士のマジタイマン!!~後編~完~


