彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「凛・・・・・試験日についていかねぇのはわかるが・・・免許証を見るなって言うのは―――――ちと、お兄ちゃん寂しいぞ?」

「わがまま言ってるのはわかってます!!ですが、無理なんです!!」

(菅原凛だとバレたくない!!)



「お金は自分で何とかします!!だから、免許証、見ないで下さい!!お願いします!!」





そう訴え、瑞希お兄ちゃんに向かって頭を下げた。
これに足して瑞希お兄ちゃんは、一言つぶやいた。





「・・・ひでぇな。」

「!?」

(そ・・・そうだよね・・・私、イヤな奴だよね・・・!)





そう思ったが、その思いはすぐに消し飛んだ。







「凛に、それだけのトラウマを植え付けたのはひどい奴だ!!」
「え!?」
「わかったぜ、凛!凛が合格しても、凛の免許証は俺は見ない!俺だけじゃねぇ!初代龍星軍総長命令で誰にも見せない!!」
「いいのですか・・・!?」
「当然♪可愛い凛のおねだりだからな?」
「瑞希お兄ちゃん!!」







ガバッと抱き着けば、しっかりと抱き寄せてくれた。



嬉しい!嬉しい!嬉しい!

これで無免許でバイクを運転することに、罪の意識を持たないで乗ることができる!運転ができる!





「そうと決まれば凛!早速、勉強しようぜ!まずは、技能からだ!」
「はい!瑞希お兄ちゃん!します!やります!教えて下さい!!」
「その意気込みだ、凛!さっそく、伊織の部屋に行こうぜ!あいつの部屋に技能試験の問題集が残ってるはずだ。そいつを借りて、俺の部屋で勉強しよう!」
「はい!よろしくお願いします!」





こうして私は、瑞希お兄ちゃん直々に、バイクの免許を受けるための勉強を教えてもらえることになった。

つくづく、今の私は幸せなのだと、幸運をかみしめるのだった。