「そうだ!バイクの免許を取ろうと思ったら、『親権者の承諾書』がいるが、それは教習所に通ってとる場合のケースだ。教習所に通わないで、試験だけ受けるなら、親の許可をもらわなくても取れる。」
「そんな抜け道があるのですか!?」
(それじゃあ、凛道蓮として免許を取ることが可能になってしまう!!可能じゃないけど!!)
「俺が凛に、試験に必要な『運転技術』と『技能試験』の内容を教えてやるよ。」
「え!?あの、その、瑞希お兄ちゃん!」
「凛の場合、運転技術はこの半年でマスターできてるから、技能の方を勉強すれば大丈夫だろう。技能についても、凛は頭がいいからすぐ覚えられるだろうな。さっそく、技能についての勉強するか?」
そう言いながら立ち上がりかけた好きな人に、私は一か八かの賭けに出た。
「お願いがあります!!」
「凛?」
「僕がバイクの免許をとるにあたって、叶えてほしいお願いがございます!!」
「お、お願いだぁ~??」
「僕が試験を受けに行く日――――――――付き添わないで頂けますか!?」
「へ!?」
「僕が試験を受けて合格しても―――――――――免許証を見ないで頂けますか!?」
「ええ!?なんでだ??」
「僕、言ったじゃないですか!!顔がコンプレックスだって!!それに――――――――瑞希お兄ちゃんが一緒だと、瑞希お兄ちゃんのことばかり考えてしまい、試験に集中できません!!」
もし、瑞希お兄ちゃんが試験日についてこなかった。
もし、瑞希お兄ちゃんが免許所を見ないと約束してくれるなら。
(菅原凛として免許を取れる!!それだけ、無免許運転は悪いことだから!!)
〔★凛は法律を守る道を選択した★〕


