彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)









「凛道、これだけは言わせてもらう。」







踏みにじったタバコの火が消えたところで、円城寺君は言った。








「凛道蓮、オメーは俺の人生で唯一のライバルだ。チャンスがあれば、必ず勝負をする。必ずオメーに勝つ・・・!」
「・・・わかった。肝に銘じておこう。」








見開いた眼を閉じて、ニッコリ笑いかければ舌打ちされた。





「瑞希さんには、俺が来たこと言うなよ!!」

「わかってますよ。」

(エンジン音でバレると思うんだけどな・・・。)





そう言ったらいったで、面倒になりそうなので言葉を飲み込む。





ドゥルルルル!!

「近いうちに集会しろよテメー!!」

ドゥルルル、ドゥルルルル!!





吐き捨てるように言うと、爆音を立てながら走り去っていった。





「・・・集会か・・・。」

(面倒くさいな・・・瑞希お兄ちゃんが参加するわけでもないのに、しなくちゃいけないなんて苦行だよね。)


「よかったな、凛!大河の奴、オメーの子と認めたぞ♪」
「うわ!?み、瑞希お兄ちゃん!?」





ぼんやりと、不届きなことを考えていれば声をかけられる。
相手は、室内にいるはずの好きな人。





「ど、どうしてここに!?」
「いや、窓から大河が、我が家を見てるの見えたからよぉ~いつ、凛にコンタクトをとるのか見てたんだ。」
「結構前から見てたんですね!?」





〔★あなどれなかった★〕





「大河も素直になったもんだぜ♪」
「そ、そうですか・・・。」
「そうだぜ。あいつ、天邪鬼なところあるからな~」





そんな話をしながら、届いた封書を持って裏口から家の中に帰る私と瑞希お兄ちゃん。





「ところで凛。」
「なんですか、瑞希お兄ちゃん?」
「困ってることないか?」
「困ってること、ですか?」
「おう!凛が俺と暮らす以上、何不自由なく育ててやりたい。困ってることはないか?」
「そうですね・・・特に思いつかないのですが・・・。」
「あ!?そういえば!」





考える私の側で、瑞希お兄ちゃんは仰った。