彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






昨夜は大変だった。
ラッキースケベ環境のお風呂から脱出して、部屋で着替え終わって店舗スペースに行ってみれば、爆裂団以外が全員集合していた。
雨が降る中、2人きりで消えた私と瑞希お兄ちゃんを探していたらしい。
カンナさんのことを聞けば、自然と円城寺君のことを可児君が教えてくれた。
今だ、深い眠りにあり、シゲ先生の病院に泊まることが決まったらしい。
そこからは、『祝!凛道蓮圧勝祝い!』ということで、みんなでコーヒーを飲んで乾杯した。
時間も遅かったので、凛道ガールと雷太を初代の先輩方が送り届け、解散という形になったのだった。





「じゃあ、凛たん、瑞希、いってきまーす♪」
「凛ちゃん行ってくるわねぇ~んーチュ♪みーちゃんもいってきます!」
「瑞希、凛道をよく見てるのだぞ。行ってくるぞ、凛道。」
「わはははははは!!社会人と学生の平日は忙しいぜ!!」





幸運にも(!?)瑞希お兄ちゃん以外は、お仕事と学校があったので、朝早くに出かけて行った。
あとには、朝食の後片付けをする私と瑞希お兄ちゃんが残された。





(瑞希お兄ちゃんと2人きりなんて嬉しいな♪)


「凛!ちょっと、郵便受け見てきてくれ!今、郵便局のバイクの音がした。なんか来たかもしれねぇー」
「はーい、わかりました♪」





瑞希お兄ちゃんからの指令を受け、裏口から外へと出る。
郵便受けをのぞけば、数枚の封書が入っていた。



さすが瑞希お兄ちゃん♪



私は浮かれて気づかなかったのに、音に敏感に対応できるな♪







「凛道。」

「え?」

(この声は。)







呼ばれて振り返れば、思った通りの人物がいた。







「円城寺君。」







単車にまたがり、じっとこちらを見ていた。
彼にしては珍しく、無表情をしていた。





「体調はもういいのですか?」





小走りで駆け寄れば、舌打ちをされた。





「側に来んな!」
「・・・わかりました。」





そう言われたので、後ろ歩きで元の位置まで戻る。





「なめてんのかテメー!?それはそれでどうなんだよ!?」





そうしたら、何故か怒り始めた。