彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「ちょ、ダメダメ!!」
「何がだよ?汚れたままの方がダメだろう?」
「キレイです!信じて下さい!」
「凛、わかってるんだぞ?」
「な、なにがです!?」
「俺に甘えたいから、そうしてるんだろう?洗ってほしいんだろう?」
「なぜそうなりますか!?」
「照れるな、照れるな!ほら、でてこーい!」





(ぎゃあああああああああ!!)





首まで使っている私の身体に、湯船に瑞希お兄ちゃんが手を突っ込む。
そして、私の腕をつかんで引っ張る。





「ダメです!!洗わなくて、結構です!!」

(もうだめ!!バレちゃうー!!)

恋の神様助けて―!!




ガラガラガラー!!





「うはははははは!風呂場から、凛と瑞希はんの楽しそうな声が聞こえたから、わしがモニカはんを連れてキタ――――――――――!!」
「みーちゃん!!また凛ちゃん独り占めしてるでしょう!!?」





漫画・僕のヒーローアカデミアのオールマイトの登場セリフのような口調で現れたのは、関西男子とオネェさん。





「やまとぉ!!」
「え?モニカ?」
「うははははは!凛!しっかりぬくもっとるかーい!?」



(よかった!!助けが来た!!)





〔★オネェ付きの関西男子が現れた★〕





「みーちゃん!!凛ちゃんに何してるのよ!!」





モニカちゃんは私と瑞希お兄ちゃんを交互に言うと、甲高い声で叫ぶ。





「いや、何って、凛の身体を洗おうとー・・・」
「なんですって!!モニカちゃんが入念に洗うから、代わりなさい!!」
「はあ!?やめろ!!断る!!お前、絶対凛にセクハラするから!!」
「みーちゃんばっかり、凛ちゃんにかまってズルい!あたしにもお世話させなさいよぉ~!!」
「おい、馬鹿!やめろ!服着たまま、入ってくるなー!」





私の腕をつかんでいた瑞希お兄ちゃんの手が離れる。
湯船から出た瑞希お兄ちゃんの手は、モニカちゃんの肩を抑え、浴室から押し出そうとしている。