彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「どうぞ!瑞希お兄ちゃん!」
「おう!じゃあ凛!俺と交代で座れ!」
「わ、わかりました!!」





瑞希お兄ちゃんが立ち上がったので、瑞希お兄ちゃんが座っていた椅子に腰を下ろす。
すると、肩に手を置かれた。





「ひゃ!?」





ビックリして声を上げれば、瑞希お兄ちゃんがパッと手を離した。





「あ、わりぃ!くすぐったかったか!?」
「い、いえいえ!驚いただけです!申し訳ありません!」
「わりぃな!何も見えないから、多分肩あたりかと思って触ったんが――――――――――こっちが、肩か??」





そう言いながら、私の肩を片手で触る瑞希お兄ちゃん。
わしゃわしゃされ、くすぐったいけど心地いい。




「あってるか?」
「は、はい!あっています!」
「じゃあ、洗っていくからな?」





そう仰ると、私の後ろ頭に触れていた手が移動する。
ゆっくりと首の後ろをなで、私の背中全体を確かめるように触る。





「凛、マジで細いよなー」
「そそっそ、そうでしょうか!?」
「そうだよ。うーん、だいたい、凛の身体の形はわかった!」





そう言いながら、私の腰に触れる瑞希お兄ちゃん。





「わ!?」





腰を触られたことに驚くが、置いてる方は気にすることなく言う。





「痛かったら言えよー?」
「は、はい!」





こうして、瑞希お兄ちゃんによる背中流しが始まる。





ゴシゴシゴシ。

「痛くないかー!?かゆいところないかー!?」
「いえ、どちらも大丈夫です。むしろ・・・・」
「むしろ?」
「気持ちいいです・・・。」
「だよな♪それが流しあいっこのだいご味だよなー♪」



(流しあいっこ・・・♪)



誰かに身体を洗ってもらうなんて、何年ぶりだろう?

両親は・・・私の身体を幼稚園まで洗ってくれた。

小学生になるのを区切りに、自分で洗うように言われた。

本当は・・・小学生低学年までは、背中を洗ってほしい気持ちがあった。

親にねだったこともあったけど、『自立心が育たない!』と言われ、怒られ、拒否された。





(親に身体を洗ってもらうのって・・・いくつまで許されるのだろう・・・)





昔は、しつけに厳しいだけかと思ったけど・・・。

私がいじめられてると信じてくれないとわかってからは、本当にしつけを理由に、私の体を洗わなくなったのか、疑問を覚える。