彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






片手でシャワーを使い、もう片手でシャワーのお湯をすくってかけながら泡を流す。
そうしていれば言われた。





「凛、俺も凛の背中を流してやるよ。」

「えっ!!?」





まさかの申し出に思わず大声を出してしまった。





「うお!?ビビった!いきなり大声出すなよ!?」
「だっ、だだだ、だって!背中流すって!」
「もしかして、イヤだったか?」
「え!?いえ、あの・・・」



どうしよう。



(これ、お願いしちゃってもいいのかな・・・?)



瑞希お兄ちゃんに背中を流してもらう・・・



(いや、ダメだろう。背中流そうと思ったら、目隠し撮ってもらわなきゃダメじゃん?)



そうなったら、女の子の身体を見られてしまう。



かといって、せっかくのラブイベントにさよならを告げるのはもったいない。



そう瞬時に考え抜いた末、出した結論は―――――――





「目隠ししたまま、僕の背中、洗って頂いても良いですか?」
「高度なテクを要求してきたな!?」





ちょっと、無茶なお願いをしてみる。



〔★無茶振り過ぎた★〕





「はあ!?そこまでひどい傷なのか!?凛の親がつけた傷!?児童相談所に通報していいか!?」
「時効だと済まされると思います。人間・・・出来ないこともありますので、無理に洗って下さらなくて結構ですよ。」
「な!?凛、お兄ちゃんをなめんなよ!?目隠しの状態で、凛の背中流すことぐらいできる!!」
「えっ!?マジでござるか!?」
「大マジだよ!」





そう仰ると、手を差し出しながら言われた。





「とりあえず、凛!悪いが何も見えないから、新しい―――――――凛専用のスポンジにボディーソープつけて泡立てたのをくれ!それで凛の背中流すから!」
「!?わ、わかりました!!」





言われるがまま、お風呂場に用意されている凛道蓮専用のスポンジをとる。
それにボディーソープをつけて、マッハで泡立てると、お風呂の椅子に腰かけている瑞希お兄ちゃんに渡した。





〔★凛は無茶ぶりを実行した★〕