片手でシャワーを使い、もう片手でシャワーのお湯をすくってかけながら泡を流す。
そうしていれば言われた。
「凛、俺も凛の背中を流してやるよ。」
「えっ!!?」
まさかの申し出に思わず大声を出してしまった。
「うお!?ビビった!いきなり大声出すなよ!?」
「だっ、だだだ、だって!背中流すって!」
「もしかして、イヤだったか?」
「え!?いえ、あの・・・」
どうしよう。
(これ、お願いしちゃってもいいのかな・・・?)
瑞希お兄ちゃんに背中を流してもらう・・・
(いや、ダメだろう。背中流そうと思ったら、目隠し撮ってもらわなきゃダメじゃん?)
そうなったら、女の子の身体を見られてしまう。
かといって、せっかくのラブイベントにさよならを告げるのはもったいない。
そう瞬時に考え抜いた末、出した結論は―――――――
「目隠ししたまま、僕の背中、洗って頂いても良いですか?」
「高度なテクを要求してきたな!?」
ちょっと、無茶なお願いをしてみる。
〔★無茶振り過ぎた★〕
「はあ!?そこまでひどい傷なのか!?凛の親がつけた傷!?児童相談所に通報していいか!?」
「時効だと済まされると思います。人間・・・出来ないこともありますので、無理に洗って下さらなくて結構ですよ。」
「な!?凛、お兄ちゃんをなめんなよ!?目隠しの状態で、凛の背中流すことぐらいできる!!」
「えっ!?マジでござるか!?」
「大マジだよ!」
そう仰ると、手を差し出しながら言われた。
「とりあえず、凛!悪いが何も見えないから、新しい―――――――凛専用のスポンジにボディーソープつけて泡立てたのをくれ!それで凛の背中流すから!」
「!?わ、わかりました!!」
言われるがまま、お風呂場に用意されている凛道蓮専用のスポンジをとる。
それにボディーソープをつけて、マッハで泡立てると、お風呂の椅子に腰かけている瑞希お兄ちゃんに渡した。
〔★凛は無茶ぶりを実行した★〕


