彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)







騒ぐ外野をよそに、私は燃え尽きたようになっていた。







(終わったんだな・・・・・・・・・。)







円城寺君を抱きかかえたまま、ぼんやりとそんな風に思った。

正直、戦ってスッキリした。

渕上ルノアへの八つ当たりが出来て、スッキリした。

八つ当たりはよくないと・・・・・落ち着いた今なら思えるけど、発散前は余裕がなかった。







(まだ客席にいるんだろうな・・・。)







そう思ったけど、ふちがルノアかいる方向は見なかった。

見てしまえば、また怒りが再燃する。

そうしたら、笑顔で私を囲んでいる仲間達に、渕上ルノアへぶつけられない怒りをぶつけかねない。

しかし、そこまで考えて気づく。







(てか、渕上ルノアを攻撃しちゃいけない理由ってある。)







不良を勉強するために読んだ漫画には、目が合ったとか、にらんでないのににらんできたとか、顔つきが気に入らないという理由で、相手を殴るシーンがあった。







(私もそれと同じことを、渕上ルノアに、『今』、してもいいんじゃない?)







そう思ったら、心が軽くなった。







(やっちまえば、よくない?)






その気になったので、実行しようかとした時だった。







「大河ッ!!!」

「カンナさん。」







切羽詰まった表情の女友達が、私の元に――――――正確には円城寺君にかけよってきた。







「大河!」
「大河―!!」






カンナさんのあとには、爆裂団の秀君と悠斗君も続く。
私の前までくると、3人は――――――カンナさんは私をにらんだ後で、円城寺君に視線を移しながら言った。






「大河を、凛から引き離すぞ!」

「あの、カンナさ――――――!」

「高千穂、手を貸すぞ。」






私の呼びかけを、瑞希お兄ちゃんが遮る。






「大河を凛から引き離すの、手伝うわ。」
「いいっす!!」







優しい瑞希お兄ちゃんの申し出を、カンナさんは即答で断る。





「あたしらがします!大河は、あたしらの頭だから!」
「カンナさん・・・。」





再度名前を呼べば、作り笑いを私に向けるカンナさん。