騒ぐ外野をよそに、私は燃え尽きたようになっていた。
(終わったんだな・・・・・・・・・。)
円城寺君を抱きかかえたまま、ぼんやりとそんな風に思った。
正直、戦ってスッキリした。
渕上ルノアへの八つ当たりが出来て、スッキリした。
八つ当たりはよくないと・・・・・落ち着いた今なら思えるけど、発散前は余裕がなかった。
(まだ客席にいるんだろうな・・・。)
そう思ったけど、ふちがルノアかいる方向は見なかった。
見てしまえば、また怒りが再燃する。
そうしたら、笑顔で私を囲んでいる仲間達に、渕上ルノアへぶつけられない怒りをぶつけかねない。
しかし、そこまで考えて気づく。
(てか、渕上ルノアを攻撃しちゃいけない理由ってある。)
不良を勉強するために読んだ漫画には、目が合ったとか、にらんでないのににらんできたとか、顔つきが気に入らないという理由で、相手を殴るシーンがあった。
(私もそれと同じことを、渕上ルノアに、『今』、してもいいんじゃない?)
そう思ったら、心が軽くなった。
(やっちまえば、よくない?)
その気になったので、実行しようかとした時だった。
「大河ッ!!!」
「カンナさん。」
切羽詰まった表情の女友達が、私の元に――――――正確には円城寺君にかけよってきた。
「大河!」
「大河―!!」
カンナさんのあとには、爆裂団の秀君と悠斗君も続く。
私の前までくると、3人は――――――カンナさんは私をにらんだ後で、円城寺君に視線を移しながら言った。
「大河を、凛から引き離すぞ!」
「あの、カンナさ――――――!」
「高千穂、手を貸すぞ。」
私の呼びかけを、瑞希お兄ちゃんが遮る。
「大河を凛から引き離すの、手伝うわ。」
「いいっす!!」
優しい瑞希お兄ちゃんの申し出を、カンナさんは即答で断る。
「あたしらがします!大河は、あたしらの頭だから!」
「カンナさん・・・。」
再度名前を呼べば、作り笑いを私に向けるカンナさん。


