彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)







〈ちょ!?やっ!?凛道蓮っ!!〉





アキナさんが怒ったのがわかった。
視界のはしでは、脇を抱えて横向きに寝転がる西岸のボスを見届けることができた。





「ぐうう!!人間凶器か!?凛道蓮・・・!?」





起き上がってくる様子がないので、僕の勝ちでいいのだろうか。





〈おい、シカトするな凛道蓮!!〉





会場中に、僕への罵声が響き渡る。






〈よくも、私を汚してくれたね!?〉






そう言いながら、手にしていたマイクをぶん投げてくる九条アキナ。





ブーン!





それを僕は―――――――





パシッ!





片手でキャッチする。









〈ちくしょう!!〉

・・・うるさい。

「うるさい。」









僕の声を拾ったマイクが、僕の声を会場中に拡散させる。








〈うるさいぞ、九条アキナ。〉
「なっ・・・!?」
〈もう一度言う。うるさくした時は、なんていうのかな?〉
「うっ・・・・!?」







殺気を込めて聞けば、アキナさんの動きが止まる。
眉を吊り上げ、ギリッと歯ぎしりしたが―――――――――






「付き合ってられるか、ばっきゃろー!!」






私への罵りの言葉を向けると、リングから飛び降りる。






「つまんないから、帰る!行くわよ、あなた達!!」
「は、はい!」
「お待ちください、アキナ様!」
「アキナ様!!」





憤慨しながら歩くアキナさんは、ボディーガードの男達を引き連れて立ち去ってしまった。







「なっ・・・!?」
「クソ!何が起きた!?目が見えねぇ!額があつい!!」
「審判が逃げた・・・。」
「凛道、オメー・・・!!」

「円城寺、再戦するのか?」

「当たり前だ!!北と南と西の雑魚共が片付いた今、俺とお前で決着を―――――――」

「誰がやられたって!?」

「中尾カノン!?」






叩きのめしたはずの女番長が立ち上がる。






「俺のどこが雑魚だコラ!?」






同じく、大柄の番長が立ち上がった。






「まだ俺は、負けてない・・・!!」






出血する部分を抑えながら、ちーちゃんに執着する番長が告げる。










〈まだやる?〉











小首をかしげながら、マイクに向かって話しかける。
これに4人は声をそろえて叫ぶ。








「「「「当然だっ!!」」」」








それで私の中のどす黒い怒りが、背中を押した。