〈ちょ!?やっ!?凛道蓮っ!!〉
アキナさんが怒ったのがわかった。
視界のはしでは、脇を抱えて横向きに寝転がる西岸のボスを見届けることができた。
「ぐうう!!人間凶器か!?凛道蓮・・・!?」
起き上がってくる様子がないので、僕の勝ちでいいのだろうか。
〈おい、シカトするな凛道蓮!!〉
会場中に、僕への罵声が響き渡る。
〈よくも、私を汚してくれたね!?〉
そう言いながら、手にしていたマイクをぶん投げてくる九条アキナ。
ブーン!
それを僕は―――――――
パシッ!
片手でキャッチする。
〈ちくしょう!!〉
・・・うるさい。
「うるさい。」
僕の声を拾ったマイクが、僕の声を会場中に拡散させる。
〈うるさいぞ、九条アキナ。〉
「なっ・・・!?」
〈もう一度言う。うるさくした時は、なんていうのかな?〉
「うっ・・・・!?」
殺気を込めて聞けば、アキナさんの動きが止まる。
眉を吊り上げ、ギリッと歯ぎしりしたが―――――――――
「付き合ってられるか、ばっきゃろー!!」
私への罵りの言葉を向けると、リングから飛び降りる。
「つまんないから、帰る!行くわよ、あなた達!!」
「は、はい!」
「お待ちください、アキナ様!」
「アキナ様!!」
憤慨しながら歩くアキナさんは、ボディーガードの男達を引き連れて立ち去ってしまった。
「なっ・・・!?」
「クソ!何が起きた!?目が見えねぇ!額があつい!!」
「審判が逃げた・・・。」
「凛道、オメー・・・!!」
「円城寺、再戦するのか?」
「当たり前だ!!北と南と西の雑魚共が片付いた今、俺とお前で決着を―――――――」
「誰がやられたって!?」
「中尾カノン!?」
叩きのめしたはずの女番長が立ち上がる。
「俺のどこが雑魚だコラ!?」
同じく、大柄の番長が立ち上がった。
「まだ俺は、負けてない・・・!!」
出血する部分を抑えながら、ちーちゃんに執着する番長が告げる。
〈まだやる?〉
小首をかしげながら、マイクに向かって話しかける。
これに4人は声をそろえて叫ぶ。
「「「「当然だっ!!」」」」
それで私の中のどす黒い怒りが、背中を押した。


