「おー誰かと思えば、あゆみが丘学園の支配者じゃんかー♪相変わらず、マブいなぁ~♪」
「チッ!親の七光りのメスが、なに真田瑞希さんと対等に話そうとしてんだよ?」
「真田さーん、焦らさないで教えて下さいよぉ~私の推しの凛道蓮さんのこと♪」
「コラ・・・!私にシカトかますとか、舐めてんのか・・・!?」
「キレるな、キレるな、真穂ちゃん♪性悪なところが、渕上ルノアちゃんのいいところじゃんか♪」
「限度にもよるで!!自分、絶対安静で入院中だったんちゃうんか、渕上ルノア!?」
「ヤマト!?」
(絶対安静で入院中、だと?)
いつもとは違う、怒気をはらんだ声でそう告げたのは、可愛い凛の大親友であるごじゅうあらしヤマトだった。
「どういうことか説明せいや、渕上ルノア!!?」
ドスドスと足音を立てながらやってくるヤマトに、渕上の顔から笑みが消える。
同時に、舌打ちをするとこちらに背を向けた。
「あー!!生理痛がひどくなったから座ろうーと!!自分の席に帰ろう!!」
そう言うなり、素早く数列後ろの席に戻ってしまう渕上ルノア。
「待てクソアマ!!説明を――――――――」
「説明してくれないか、ヤマト。」
「瑞希はん!?」
関西男子の行く手をさえぎりながら聞いた。
「なにがどうなって、渕上ルノアにお前はマジ切れしてんだ?」
「それが―――――――・・・・・・・・・!!」
ヤマトは一度周囲を見渡すと、俺を少し離れた場所に移動させる。
「おい、ごじゅうあらし!?」
「堪忍やで、宗方はん!瑞希はんにしか、言えへん!」
そう言うと、俺の耳元に口を近づけ、何があったのか話し始める。
〈円城寺の猛攻撃の一方通行すねー♪〉
バキ!
ゲシ!
ドカ!
ドス!
痛いな。
どうしてそんなに、私に暴力ふるうの?
まるで、お母さんとお父さんみたい。
(私のことを信じてくれなかった両親と、なんで同じことをするの・・・?)
「はあ!?あのクソ女、同級生に重傷負わされたふりして、入院してることになってんのか?」
「そうでっせ。しかも、絶対安静っちゅー肩書付きで、同級生から慰謝料まで巻き上げてまんねん。」
「とんでもねぇクソガキじゃねぇか・・・!」
目だけで問題のクソガキを見れば、涼しい顔で凛達を見ている。
腹が立ったがそれどころではない。


