彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






「襟足君、ちょっと凛のこと見ててもらってええか?」
「うおっビビった!?ラジオさん、声のボリューム普通に出来たのかよ!?」
「わし、瑞希はんのところに行ってくるさかい。」
「あん?真田さんのとこに?てっ!?凛先輩の試合そっちのけで、催馬楽ともめてるのか!?」
「・・・気づいたんやろう。」
「はあ?なにがよ?」
「凛の精神状態が、今普通じゃないから、普通に戦えへんことに。」
「なんだよ、そんなこ・・・・なっ、なんだとっ!!?凛先輩調子悪いのか!?便所長かったのは、下痢だったのか!?」
「そう言う意味の不調ちゃうわ。」
「じゃあなんだよ!?仲間と戦いたくないからと気を病んでるのか!?」
「それも違うのぉ~とりま、凛にエール送ってくれへん?」
「わ、わかった!!フレー!フレー!凛先ぱーーーーーーーい!!」





(・・・・・・あれ?だれか、僕を呼んだ・・・・・・?)





〈それでは、タイマン開始ですっ!!〉





シュ、バキッ!!

「う!?」





殴られた。
衝撃で、数歩後ろに後退する。





(痛い・・・。)





殴られるのは、痛いな。





「テメー!防御もしねぇとか、舐めてんのか――――――!?」





あ・・・また殴りかかってくる。





(殴られ続けるのは嫌だな・・・。)





心が痛いのに、体まで痛いのは嫌。





(じゃあ、痛くないようにしよう。)





穏やかな動作で型を組む。





「おーい!さっきから、西岸の席で何してんすかー真田さーん?」
「小耳にはさんだが、凛道蓮の調子が悪いんだって?」





南原と北条の番長である児雷也と中尾カノンがやってくる。
そんな2人が、渕上ルノアを見て表情を変える。